視覚障害早期発見マニュアル
1. 症状と所見
眼科へ紹介を要する異常所見と緊急度を表1に示す(参考文献1より改変)
2. 眼科紹介を考慮する疾患・症候群
乳幼児期の視覚難病リストの頁を参照
https://www.infant-intractable-eye-disease.com/disease-list.html
3. 診察・検査法
- ①
問診:家族が児を観察する中で形態異常や行動異常に気づくことが多いので、問診は重要である。
また、眼形成異常には家族歴のあることが多く、家族歴の聴取が疾患発見につながる。
問診や家族歴で気になる点があれば、眼科受診を促す。
- ② ペンライトによる診察:ペンライトを使用して瞳孔反応をみる。 続いて外眼部・前眼部を注意深く診察する。白色瞳孔(瞳の奥が白い)、羞明、流涙、充血、 眼球の大きさの左右差、瞼の異常、瞳孔の形の異常、角膜混濁、瞳孔領白濁などの異常所見があれば眼疾患が疑われる。
- ③ 固視・追視検査:片眼を遮閉して左右どちらも見えるかどうかの確認をする。 特に、片眼を遮閉したときの嫌がり方、嫌悪反応の違いを左右で比べると良い。 視力の発達は個人差が大きく、視力を他覚的に測定してもその評価が難しい。 左右差の存在は眼疾患による視力障害を示唆する。
- ④ 眼位・眼球運動検査:固視・追視が確認される生後2〜3か月頃から行い、斜視、眼振、眼球運動制限の有無を確認する。
- ⑤
Red reflex法:直像鏡(検影器)を使用して眼底からの反射を瞳孔から観察する方法であり、
角膜混濁、白内障、網膜芽細胞腫、網膜剥離などの疑いのある児を簡便に検出できる有効な方法である。
両眼から同じ大きさの黄橙色の明るい反射が観察できれば正常である。
暗室で実施すると瞳孔径が大きくなり観察しやすい。検者は腕の長さの距離(約50cm)から患児の瞳孔に直像鏡の光を当てて観察する。
左右眼いずれかでも反射が観察できない児は、早急に眼科での精密検査を勧告する。

- ⑥ フォトスクリーナー:小児の視覚スクリーニング機器で、弱視のリスクファクターである屈折異常と斜視を検出する。 診察室の照明を落とし、患児から1m離れたところから両眼を撮影する。 フォトスクリーナーの一つであるスポットビジョンスクリーナーは、異常判定機能が搭載されているため、 精査の要・不要を自動的に判別できる。3歳未満児の弱視危険因子発見の有効性は確立されていないが、 斜視の検出においては低年齢においても感度・特異度ともに高い。
4. 各科・施設との連携
乳幼児の視覚障害を早期に発見のための連携法を示す。
参考文献
1) 仁科幸子, ほか:乳児健康診査. 乳幼児健康診査身体診察マニュアル.
https://www.ncchd.go.jp/center/activity/kokoro_jigyo/manual.pdf
(林 思音)
